南アフリカ共和国金の鋳造 2セント

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発行年月日 : 1969年12月（日付不明）
発行国 : 南アフリカ共和国
額面 : 2セント

南アフリカの輸出を支える金の鋳造を表したデザイン。
発行国「南アフリカ共和国」の名前が英語とアフリカーンス語で書かれています。

南アフリカ共和国とは

アフリカ大陸の最南端に位置する共和制国家で、アフリカ大陸における名目GDPランキング（2015年）ではナイジェリア、エジプトに次いで第三位となっています。
一般に首都というと、ひとつの国にひとつの都市というイメージがありますが、南アフリカには首都機能（行政、立法、司法）を持つ都市が三つあります。

行政府 : プレトリア
 立法府 : ケープタウン
司法府 : ブルームフォンテーン

各国の大使館はプレトリアに置かれているので、国際的には首都はプレトリアと認知されています。

南アフリカというと思い出されるのは、非白人に対する人種差別政策アパルトヘイトが行われていたことや、アパルトヘイトを廃止したネルソン・マンデラ元大統領でしょうか。
人種差別政策などという前時代的な政策が、20世紀のほぼ終わり（1994年）まで施行されていたという事実は衝撃的です。

金の産出

昔、金の産出量の世界一といえば南アフリカで、世界の金の産出量の半分を占めていました。
18世紀にイギリスが南アフリカを植民地として支配したのも、この地で産出される金やダイヤモンドに目を付けたことが原因です。
以前に紹介したローデシアのセシル・ローズも、南アフリカで金の産出などに励んでいました。

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金が埋まっていたためにイギリスによる植民地支配や人種差別などの悲劇も生んでしまったわけですが、それでも金産出量で世界一であるという事実は、このように切手にも金の鋳造の様子を描かれるほど、誇らしいことでもありました。

しかし、現在の金産出世界一は南アフリカではなく、中国です。
しかも産出量は約3倍と大きな差が付いてしまっています。

2016年の金産出量ランキング

順位	国名	産出量（トン）
1位	中国	455
2位	オーストラリア	270
3位	ロシア	250
4位	米国	209
5位	カナダ	170
5位	ペルー	150
7位	南アフリカ	140
8位	メキシコ	125
9位	インドネシア	100
9位	ウズベキスタン	100
11位	ガーナ	90
12位	ブラジル	80
13位	パプアニューギニア	65

なぜこのようなことになったのでしょうか。
これは金鉱脈が枯渇したわけではなく、先に述べたアパルトヘイトが関係しています。

非白人を差別したアパルトヘイトにより、黒人は安価な労働力提供者として酷使され続けました。
その結果、南アフリカは金生産にかかる経費を圧縮できたため、金販売において国際的な競争力を有することができました。
しかし、1994年のアパルトヘイト撤廃以降、安価な労働力を入手することができなくなり、年々産出量が減って現在のような状況となったわけです。